受賞作品
『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』
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<審査員コメント>
・この本こそ、今日本で最も読まれるべき著書だと思う。AI、シンギュラリティに対する誤解を解くだけでなく、むしろ著者が訴えたいのはAIを通して何が起こるのか、もっと本質的なことだ。いくつかの仕事がなくなるというレベルではない企業の“儲け方”の根本的な変化、淘汰され得ない人材とは―—そしてその背景に日本の教育と、それによって生み出された人材の危機を訴える新井先生のすごみに圧倒された。

・内容に賛否両論がある部分も含め、AIと教育、人間の認知、そしてシンギュラリティについて、議論をするための土台を作ったことを高く評価したい。

・AI、いやAI技術の発達で何が起きるのか、それを考えるために読むべき本。AIで仕事はなくなるのかといった疑問に、論理的かつデータに基づきながら丁寧に答えていて、専門知識がなくてもよく理解できる。

・甘く見ていた。ナメていた。タイトルから、新井先生が色んなところで言っている「子供の読解力の話だろ」と思っていたら…AIという無機物から人類の可能性と限界と、現在われわれが抱える問題を逆照射する、「どう生きるべきか」の指南書だった。読みやすさの点からも、ビジネスマン以外の人も読むべき現代の必読書だと思う。

・AI論と人間のコミュニケーション能力と理解力の重要性を、論理明快に説明した上で、その解決策を具体的に提案する。読み易く、その上で単なる啓蒙書にとどまらず説得力のある提言をしているところが優れている。

・いわゆる「シンギュラリティ」は来ないと断言するが、勤労者の半数が失業の危機にさらされるだけでなく、企業も淘汰される危険がある時代がすぐそこに迫っていることを、数学者としての専門的な知見と経験を生かして、 具体的にわかりやすく説いている。重要なことは人間らしく、生き物らしく柔軟になること、そして読解力を磨くこと。一読して暗い気持ちになり、今のところの読解力向上の因子が見つからないことに嘆息しつつも、 戸田市のRSTへの具体的な取り組みに明るい気持ちになり、最終章の最悪のシナリオで暗い気持ちに戻りつつ、最後に一筋の光明を感じさせる。

・人に勧めるに値する本。この本が良いのは、AIが世の中に今後どんどん浸透していく時代において、今、人間が必要とされる能力として、読解力であると言い切っている点。 そして、その読解力において、現状の学生のレベルではまずいという未来への警告を発しているこの2点。 その結果、読み終わった後になんらかの行動変容には繋がる。


『ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』
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<審査員コメント>
・組織を進化する生命体として捉える新鮮な考え方。実例がたっぷり紹介されており、刺激を受ける記述が多かった。とくに個人が人間としての全体能力を発揮する「ホールネス」の考え方は重要で、すでにクリエイティブな組織においては、まさにそうだと思う。本書自体が大著のため、関連書籍や雑誌特集などへの波及効果も大きかった。周辺への影響の与え方からみてビジネス書大賞にふさわしい。

・本書では綿密な調査による、豊富な事例を裏付けとし、全く新しい組織論が展開されている。自分の在籍している会社・チームはどのような組織に分類されるのか?是非お確かめ頂きたい一冊

・進化型組織(ティール組織)が企業全体で成り立つにはまだまだ時間がかかりそうではあるが、小さいチームでティール的考えを取り入れられる可能性は十分にあり、遠い未来の話ではなく実務的なビジネスの良書。 メンバーの可能性を最大に生かし切ることが組織にとって最も大切なことになるこの人口減少時代に必要とされる本だと思う。

・個人的に大変興味深い本だった。社員一人ひとりの「個」を大事にするとうたいながらも、昭和的な社員をマスとしてしかとらえない企業からなぜ不満が消えないのか、イノベーションが起きないのか、様々な理由が明らかになった。 一番納得したのは、「個」は企業に即した人格を形成することで、一部の優れた能力を家においてきてしまっているということ。 この全体性の欠如が、日本企業の病巣のひとつである閉塞感につながっているのだと確信した。大企業に所属してすでに中間管理職に就いたビジネスパーソンが読むと、カウンターパートとして読めておもしろい。

・組織自体を生命体として扱い、組織を組織自身の進化の力に任せて運営したら、組織は何を達成できるのか?きわめて魅力的で今日的な示唆に富む組織論。


『the four GAFA』
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<審査員コメント>
・GAFA各企業がここまで発展した経緯やこれからのことがテンポよく描かれており、いちユーザーとしても読み進むうちにこの利便性を手に入れた反面どんな代償がこれから先待ち受けているのかなど、少し先の未来を想像しながら楽しめた作品。

・細かい話でなく、"テクノロジーが中産階級を殺す"現代におけるGAFAという、ビジネスパーソンが理解しておくべきテーマを扱っている。私たち一人一人が、どれほどGAFAに関わっているのか自覚していない状況だからこそ、この書籍の必要性は高い。

・GAFAは世界で活躍するビジネスパーソンのキーワードとなっており、読まないわけにはいかないレベルの本。

・本書は、GAFAがなぜここまでの力を得たのか、何が共通しているのか、世界をどう変えたのか。彼らに支配される世界で、我々はどう生きたらいいのかを、深く洞察する。GAFAが恐れられ、規制強化の動きが世界的に強まっている理由がよく分かる一冊。


▼ ノミネート作品

※書名の五十音順に掲載
No. 書名 著者
出版社
ISBN

1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術

伊藤 羊一
SBクリエイティブ
9784797395235
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AI vs. 教科書が読めない子どもたち

新井 紀子
東洋経済新報社
9784492762394
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the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

スコット・ギャロウェイ
東洋経済新報社
9784492503027
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ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

フレデリック・ラルー
英治出版
9784862762269
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日本再興戦略

落合陽一
幻冬舎
9784344032170
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ビジネスフレームワーク図鑑 すぐ使える問題解決・アイデア発想ツール70

株式会社アンド
翔泳社
9784798156910
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ホモ・デウス(上・下):テクノロジーとサピエンスの未来

ユヴァル・ノア・ハラリ
河出書房新社
9784309227368(上)、9784309227375(下)
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学びを結果に変えるアウトプット大全

樺沢紫苑
サンクチュアリ出版
9784801400559
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