受賞作品
『サピエンス全史(上・下)』
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<ユヴァル・ノア・ハラリ氏よりメッセージ>

<審査員コメント>
・人類史を描き、高い視点を得られる1冊。「そもそもビジネスは何のためにあるのか」に目を向け、新たなビジネスモデルを考えさせてくれる。世界的にも読まれている教養書。さらに多くの日本人に読んでもらいたい。
・ネットが発達する中で、本に求める役割が変わってきている。「しっかりした本を読みたい」というビジネスパーソンの気持ちに応える1冊で、このボリューム感は重要。また、ボリュームが気にならない一気に読ませるスピード感がある。翻訳者のすばらしい仕事を讃えたい。
・混沌とした時代の中で、若いビジネスパーソンは悩み、迷っている。そうした時に「昔の人はどうだったんだろうか、何を悩んだんだろうか」と人間の歴史を知ることが勇気になるし、判断基準を作ってくれる。ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』やジャック・アタリ『21世紀の歴史』などに匹敵する名著として、今後読まれ続ける1冊になるのではないか。


『LIFE SHIFT』
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<審査員コメント>
・日本人の仕事観、人生観に影響を与える1冊。すでに経産省でも、本書をベースに、日本人の働き方についての議論がされており、仕事のやり方・働き方のパラダイムシフトを実際に生んでいる重要な1冊。
・日本企業の雇用には「女性の登用」「定年制」など課題は多い。女性は、出産などで登用が遅れたり、年齢にこだわらない登用を標榜しながら60歳で定年退職を迎えることになる。こうした課題をどう打破するかのヒントを日本の経営者に与えている。
・いくら雇用が流動化している、退職率が高まっている、と言っても、新卒一括採用で、定年まで勤めるのが、まだ日本では主流。しかし、あと10年で確実に変わるということを予感させられる。これから社会に出る世代にとっては「やり直しの利く人生」が当たり前になるという希望も与えてくれる。
・働き方改革とは、生き方の改革。これからの世代の厳しさを認識させられた。われわれ、現役世代が、これからの世代を後押ししなければと思わされた。


『小倉昌男 祈りと経営』
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<審査員コメント>
・宅急便という優れたビジネスモデルが、葛藤を抱える家庭人から生まれたということに心を動かされる。同時に、作り手として嫉妬とリスペクトを感じるすごい本。スキャンダルになりかねない話を、すべての関係者からファクトを取って、身内の方から見ても尊敬されるコンテンツに仕上げた。ジャーナリストとして尊敬に値する仕事。
・これまで優れた経営者として光が当たっていた人物から、一人のジャーナリストがこつこつと何年もかけて発掘した新たな事実の強さ。人間の弱さを知る経営者が、ビジネスモデルを確立したという事実に感動する。ビジネスを志す人、経営者に読んでほしい。
・久しぶりに読んだ剛速球でかつ、ビジネス書としても完成度の高いノンフィクション。こういう本を今、読めることが貴重なこと。これからの書き手を引っ張るためにも、今のジャーナリストのトップランナーである著者のすばらしい仕事を称えたい。

『やり抜く力 GRIT』
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<審査員コメント>
・ブラック企業問題を筆頭に、このところ日本では、一生懸命働くことへのマイナスイメージが流布している。しかし、個人としてどう力をつけ、成長するのかがビジネスパーソンの中心課題であることに変わりはない。努力することが、いかに合理的で正しいことなのかを教えてくれるビジネス書がアメリカで読まれていることを日本の読者に注目してもらいたい。
・自分自身、長く働いてきて思うのは、「やり抜く」という経験は、本当に貴重だが、なかなかできることではないということだ。この力を身につけることで、自分だけでなく、家族や子供、部下など周囲の皆が幸せになると感じさせてくれた。
・成功を決めるのは才能ではなく努力であることを論理的に語っている。一つ一つは当たり前に感じることでも、エビデンスで証明しているのがすばらしく、おもしろく読ませてくれる。
・昨今、日本ではブラック企業の話題に注目が集まり、ワークライフバランスも推進されているが、アメリカで最先端を行くビジネス書の流れは、その反対を向いている。「ハードに働け、ハードに学べ」というメッセージを発する今の先端のビジネス書の象徴が『ゼロ・トゥ・ワン』(2015年大賞)『HARD THINGS』(2016年大賞授賞)。本書は、その流れにある1冊。この流れは、これから日本にも来るだろう。


● 総評

「ビジネスパーソンが知識やスキルを得る書籍」といった従来のビジネス書の役割が変化しつつある──。昨年、ビジネス書大賞2016で多くの選考委員が指摘した流れが、さらに加速していることを再認識する選考結果となりました。

今回の最終選考会においては選考委員より以下の4点の変化が指摘されました。

第1の変化「教養」への流れ。
哲学・歴史・科学など、教養への関心が高まっています。社会環境の変化が早まる中、人生や仕事の意義を問い直し、判断基準を形作るための読書の必然性が高まってきていることによると思われます。

第2の変化「インターネットの対極としての本の価値の高まり」。
ビジネスのノウハウを得るツールはインターネットに移行しつつありますが、その反面、ネットでは得ることのできない深い体験や大きなストーリー性と言った書籍独自の価値を体現することが、より強く求められるようになっています。

今年度の大賞『サピエンス全史』、準大賞『LIFE SHIFT』は、長い時間軸の視点に読者を誘い、人生や社会そのものを見直すきっかけを与える作品で、第1および第2の変化を象徴する作品。第1次選考から最終選考へのすべての選考において、高い評価を得て文句なしの受賞決定となりました。

第3の変化「ビジネスパーソンの課題の変化・深まり」。
昨年は教育(『「学力」の経済学』準大賞授賞)、AI(『人工知能は人間を超えるか』審査員特別賞)といった、従来のビジネス書の定義に必ずしも当てはまらないテーマの作品が授賞作に選ばれ、ビジネスパーソンの注目するテーマの広がりを示す結果になりました。

今年度を象徴するテーマは「生産性」。『デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論』『生産性』『鬼速 PDCA』『職場の問題地図』が最終ノミネート作に選ばれ、「生産性」という課題に日本のビジネスパーソンの目が向いていることを反映した結果となりました。

さらに、第4の変化「ハードワーク」。
長時間労働やブラック企業へ厳しい目が向けられていますが、その反面、世界のトップビジネスパーソンは、自ら選んでハードに働き学んでいる──そんな現実を伝える翻訳書が、ここ数年続けて授賞しています(『ゼロ・トゥ・ワン』2015年大賞、『HARD THINGS』2016年大賞)。今年度、読者賞『やり抜く力 GRIT』は、そうした流れをさらに強く予感させる作品であることが指摘されました。

以上の流れの中で、「翻訳書優位の傾向が今後しばらく続くのではないか」との指摘がありました。本賞の意義として、日本のビジネス書の作り手の奮起を促し、後押ししていきたいということも最終選考の場で再確認されました。審査員特別賞『小倉昌男 祈りと経営』は、図抜けた仕事をされた日本の書き手に差し上げることで、続く日本人の書き手が現れることへの期待の表明でもあります。


▼ ノミネート作品

※書名の五十音順に掲載
No. 書名 著者
出版社
ISBN

いま世界の哲学者が考えていること

岡本裕一朗
ダイヤモンド社
9784478067024
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小倉昌男 祈りと経営

森健
小学館
9784093798792
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鬼速 PDCA

冨田和成
クロスメディア・パブリッシング
9784844377498
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「言葉にできる」は武器になる。

梅田悟司
日本経済新聞出版社
9784532320751
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サピエンス全史(上・下)

ユヴァル・ノア・ハラリ
河出書房新社
9784309226712(上)
9784309226729(下)
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職場の問題地図

沢渡あまね
技術評論社
9784774183688
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生産性

伊賀泰代
ダイヤモンド社
9784478101575
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デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論

デービッド・アトキンソン
東洋経済新報社
9784492396353
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やり抜く力 GRIT

アンジェラ・ダックワース
ダイヤモンド社
9784478064801
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LIFE SHIFT

リンダ グラットン
アンドリュー スコット
東洋経済新報社
9784492533871
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