<ベン・ホロウィッツよりメッセージ>
<審査員コメント> ・経営者によるビジネス書は成功法則が書いてあるものだが、本書は、経営とは苦難の連続であること、その一方で、そうした仕事が楽しさや興奮を与えてくれることが伝わる。自分と重ね合わせて読める地に足がついた優れた1冊。 ・困難をマネジメントすることが経営の神髄であり、強い意志と正しい野心がそれを支えるのだということを伝えている。背筋がピンと伸ばされる思いがする。 ・著者が体験から得たものを読者に分かち合おうとする貴重な1冊。著者が述べている通り、著者が行った決断は必ずしも正解とは限らないが、その率直な自己開示に、自分自身の解決法を見出す勇気と創造性が湧いてくる。 ・著者の経験に基づく具体的な記述が、著者の結論を立体的に理解する手助けをしている。スタートアップ企業、CEOとしての経験をもとにした記述ではあるが、多くのビジネスパーソン(特に管理職層)に貴重な学びを与えるだろう。
<審査員コメント> ・ビジネス書かどうかという議論があったが、本書は、教育の現場で、何をやることによって効用(雇用)を大きくするかについて書かれており、まさに経済学そのもの。ビジネス書大賞の選考大賞として、まったく問題ない。 ・非常に難しい内容をていねいに説明し、同時に多くの人を刺激する文章になっている。刺激的な内容であることと、専門的なエビデンスを示すところのバランスがよく、外れがなく楽しめ、かつ何かを得ることができる。 ・ビジネスのインフラであるところの教育が、何十年来まったく変わらないまま来ているという日本の現状に対して、大きな警鐘を鳴らしたという大きな意義がある。教育を変えていかないと未来はない。なかなか変わらない世界を、変える可能性のある1冊として、広がっていってほしい。 ・サイエンスと実社会をつなげることも、アカデミックの大事な役割。教育というテーマで、今までそれをやる人がいなかったところをうまく突いた。また、経済学を学んだことのない人が、教育という身近な話題を通じて、経済学に触れるという解説書という役割を持つ1冊でもある。
<審査員コメント> ・人口知能について、ビジネス現場ではものすごい危機感をもってやっているが、本書はどんな困難が待ち受けているのかを分かりやすく示している。 ・今後のビジネスの世界で雇用に直結するフロンティアを広げるという意味でもインパクトのある1冊。いろんな人に気づきとビジネスチャンスを与えている。 ・AIにはインターネットと同様の社会的インパクトをもたらすと言われつつ、実際のところがよく分からなかった。こうした包括的な本は非常に価値が高い。ビジネスパーソンにとって非常に実用的な1冊になっている。 ・理系の世界のトピックをここまで誰にでもわかりやすく説明する著者の筆力に脱帽。今後のビジネスのフロンティアであるのにうまく理解されていないトピックを門外漢にも分かりやすく説明した功績は大きい。
『HARD THINGS』は3回行った投票のすべてで1位を獲得し、文句無しの大賞授賞となった。 各賞の審査においては『「学力」の経済学』『人工知能は人間を超えるか』が必ずしも「ビジネス書」に分類されるものではなく、その点が審査の焦点となった。結果、今こそビジネスパーソンが知っておくべき知見であり、新しいビジネス書の広がりを象徴する2冊として、それぞれ準大賞と審査員特別賞を授賞することとなった。 今回の審査においては、これまでで最多の現役経営者の方にご参加いただき、出版業界の審査員とともに討議を重ねた。違った視点からの評価が、最終的にひとつの評価に昇華する形となり、参加した審査員にとって納得度が高く、また実り多い議論となったことをご報告しておきたい。ビジネス書が果たすべき役割が、より大きなものへと変化していることを感じる選考経過となり、7回目となったビジネス書大賞にとってもエポックメイキングな結果となった。
HARD THINGS
「学力」の経済学
経営者になるためのノート
結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる
人工知能は人間を超えるか
超一流の雑談力
マーケット感覚を身につけよう
ワーク・ルールズ!