選評
HARD THINGS

経営者としての苦難の記憶がフラッシュバックした。思い出すだけで心臓が締め付けられる気分だ。しかしそれでも経営者を続けているのは、経営者として得られるモノが苦難を遥かに超えて素晴らしいからだ。著者もだからこそこれだけでのHARD THINGSを経験しつつも経営者を続けているのだろう。

迫俊亮さん/ミニット・アジア・パシフィック 代表取締役社長

現在、フェイススブック、スカイプなどへの投資により、アメリカでも有数のベンチャー・キャピタリストとして知られる著者は、「良い会社であることはそれ自体が目的である」と言う。謝辞における妻への通常以上の賞賛と相俟って、彼にすっかり惚れ込んでしまった。久しぶりに、付箋を大量につけながら読んだこの本に、本当は、2位、3位の分も併せて、私の持ち点すべてを入れたい。

干場弓子さん/ディスカヴァー・トウエンティワン 取締役社長

フレディック・フォーサイスの小説を思わせる張りのある展開に思わず引き込まれ、快い緊張感と高揚の中で後半に突入。第4章以降では今少しの整理・体系立てが望ましいが、稀有な経験に裏打ちされた有無を言わせぬ強いメッセージの重畳には圧倒される。酒精度の高い泡盛の古酒を思わせる残味に読了後暫し茫然となる上級者向けの本格的ビジネス書。

匿名

第4章から急にお説教がましくなり、テンションが下がる構成が残念ですが、多くの示唆に富んだ読み応えのある本。ただ、煽り文句ほど、経営者以外の人に「使える」話かどうかは疑問。「福利厚生は文化ではない」などグーグルに正面からケンカを売っている点、融資を土壇場でつぶしたE&Yを名指しで非難している点など、信用できる著者と感じた。

井上威朗さん/講談社 COURRiER JAPON 編集長

米国、特にスタートアップ企業におけるCEOのあり方、考え方、行動のノウハウが記されている。著者の体験に基づいているため、わかりやすいし、説得力がある。読みながら米国と日本の企業のあり方の違いを改めて考えさせられた。風土の違いはあるが、日本の経営者、企業を目指す人たちにとっても参考になるだろう。

匿名

株価急落 、社員の解雇、資金ショートなど、まるでハリウッド映画のように押し寄せる困難に打ち勝つ秘訣は、怖気づいたり投げ出したりせず、眠れない夜を過ごそうとも、苦痛に耐えること、そして大失敗したあとは「武士道」戦士のとるべき道の第一原則に従うこと。戦士が常に死を意識し、毎日が最後の日であるかのように生きていれば、自分のあらゆる行動を正しく実行できるとしています。この本は荒波に打ってでようとする起業家への覚悟の書でもあります。

鈴木寛之さん/八重洲ブックセンター 八重洲本店

CEOは、会社にとって良くない方法で短期目標を達成したマネジャーに、褒賞を与えてはいけない。いわく、「定性的な目標を無視していれば、定性的な目標は達成できない(中略)。純粋に数字だけによるマネジメントは、数字通りに色を塗るぬり絵キットのようなもの??あれはアマチュア専用だ」。すべての示唆が、著者自らの失敗によって裏付けられており、そのエピソードひとつひとつが、本書を読むことに緊張感を与えている。

大橋功幸さん/日本出版販売

経営の立場、マネジャーの立場に立つと、実際に起こるのは、厳しい状況や苦しいことの方が多い。良いことばかりが書かれたビジネス書が多い中で、苦しいことを中心に書かれた点に共感できる。

松尾茂さん/ブログ Travel Book Cafe

読者ターゲットは主に起業家なので、起業し、経営していく中で起こる困難に立ち向かう大変さを本の中で共感することで自身の解決にもつながるのかもしれない。起業をされてない方も、立ち向かうしかないのだと、やる気にさせてくれそうだ。

井内穂波さん/ジュンク堂書店 大阪本店

起業家として生きることは、簡単な答えが見つからない難問だらけのテストを一生受け続けることに近いのだろう。本書はその名の通り「ハード(厳しい)」な1冊だ。ビジネスで起きうる難問にたいして、インスタントな解決策は書かれていない。けれど、誰よりも困難と戦ってきた先人の、誠実なアドバイスがあふれている。少々ソフトなビジネス書が増えた現代で、一番「リアル」なビジネス書だ。

滝啓輔さん/サンクチュアリ出版

「芯」を食ったリアルな本で、とても面白かった。ビジネスは人間の営みだから、綺麗事だけでは成立しない。だけど、その「芯」を本にしようとすると、“差しさわり”が生じるため困難。それを突破した優れた一冊。タイトルを“HARD THINGS”としたのも、素晴らしいと思う。

田中泰さん/ダイヤモンド社

本書はすでに日本でも評価を確立しているが、その背景には、日本におけるベンチャー起業の一般化と、従来の企業のベンチャー化といった2つの要因があるように思える(後者は要は、ベンチャー的なスピードと市場対応力がないと大企業も生き残れなくなってきているということだ)。そしてこの傾向は今後も強くなる一方だろう。少なくない人にとって、本書は今ダイレクトに仕事に役立つと同時に、日本でも確実に起きる未来を詳細に描いた予言の書にもなっているという、二重の価値がある本なのだ。

横田大樹さん/ダイヤモンド社

著者がくぐり抜けてきた“修羅場”は本当に壮絶なものでした。そして、その“修羅場”とは、会社を経営したことのない私には理解を超えるものです。しかし、自らの“壮絶な経験”に裏打ちされた“本音の言葉”には、心を震わせる力を感じます。多くの経営者が本書を称賛するのも、経営者しか分かりえない“本音”が本書には書かれているからでしょう。そうそう滅多に出会うことのできないビジネス書に2015年に出会えたことに感謝したいと思える一冊です。

まなたけさん/まなたけ.net

副題にある「答えがない難問と困難」に向き合う著者がどんな苦境であっても、会社の危機的な業績を従業員に隠さず伝えること、リストラ対象者に寄り添うこと、この二つを貫いた姿勢が印象的だった。明日には自分の会社がなくなるかもしれないという日に「人を大事にする会社」と口で言うだけでなく実践できる経営者だからこそ、後に会社を繋いでいけるのだと強く考えさせられた。

福田浩子さん/ジュンク堂書店 仙台TR店

「学力」の経済学

2015年の「教育と経済学」ブームの先駆けとなった一冊。話題性が高く、自分自身のスキルアップと共に子供の教育にも意識を向ける客層が、自店舗の客層とも合っていたため売れ行きを伸ばした。2016年もこの波は勉強法・教育法ブームとして高まっていくと思うので、その中で定番書となってほしい。

黒田紗穂さん/紀伊國屋書店 梅田本店

著者が記している通り、教育の世界では体験談が語られることが多く、科学的な根拠に基づいた議論はほとんどなされることはなかった。その意味で米国の例が中心ではあるものの、実証データに基づいてこれまでの通説を検証している点を評価する。教育産業の関係者からも評価する声を少なからず耳にした。

匿名

「思い込み」で語られてきた教育を、科学的根拠で解明。

藤井荘平さん/文苑堂書店

今まで、いわゆる教育評論家が書いた本は自らの知見をもとに書かれております。そして、それを確かに私たちは「正しいもの」として受け入れてまいりました。しかし、本書は違います。それは「データ」に基づいた教育や子育てを論じた本だからです。そして、そこに書かれている教育論の内容は、以下のように今まで言われてきた内容とは“真逆”のことが書かれております。今までの教育学の本とは全く違うアプローチで展開し、教育を考える上での“別の切り口”を提供している本書は、2015年を代表するビジネス書の一つだと考えます。

まなたけさん/まなたけ.net

ビジネス書かどうかわからないが、ビジネスパーソンに読まれたように思うので挙げたい。学術的な研究成果を紹介しつつも、身近なテーマで一般向けにわかりやすく書かれていて、とても面白く読んだ。個人的に今後の子育てに生かせそうな考え方もあり役に立ったと同時に、ベストセラーとなり、教育界に一石を投じたという意味で意義のある本だと思う。

三浦岳さん/ダイヤモンド社

「学力」という堅いテーマながら、子育て世代の30-40代だけでなく、20代男性なども購入していたのが印象的。学力や教育というテーマは、正解がなく、ややもすると、子育ての成功体験や、こうあるべきの教育論に偏りそうなところを、数字やデータによる根拠=エビデンスを提示しながら解説をしたところが新しく、そのことにより、子育て世代の問題としてだけではなく、社会的な問題として捉えられたからこそ、幅広い層に支持されたのではないかと思う。

中島万里さん/TSUTAYA BOOKMD

日本では、あまり一般化されていない教育経済学の世界を身近なテーマをもとにデータで紐解く新しい発見に満ちた一冊。教育者の感覚に任せている旧態依然とした日本の教育にもエビデンスという新たな一石を投じている。思い込みの強いすべての親にとって、読んでみたら目から鱗になるはず!

降旗靖夫さん/マイナビ学生の窓口 編集部

日本では子どもの知能や学力をデータとして統計処理し学説を導くことはできない。データが公開されず、そうした研究は一種のタブーだ。米国でも時に炎上することはあるが、データは豊富に存在し、研究者はアクセスできる。本書はノーベル経済学賞受賞者のヘックマンが書いた「幼児教育の経済学」(東洋経済新報社)のような先行書の整理・まとめにすぎないという評価もあるが、先の理由で日本では研究が困難であるだけに、日本人研究者が日本人向けに書いた本書は啓蒙という点で大いに意義のあるものといえる。

山崎豪敏さん/東洋経済新報社

感情や主観的なものに左右され結果が目に見えにくい教育において、数字によって事実を示すという本書は、今までになかった教育書であると思う。と同時に、まさにタイトル通りの「経済学書」とも言え、データを駆使した著者の理論は、非常に納得させられる。供がいるいないに関わらず、教育を受けて社会に出たものにとって、興味深い。

加藤美沙さん/紀伊國屋書店 札幌本店

当店のある沖縄県は「全国学力テスト」の順位向上への対策や、子どもの貧困問題など、教育に関する社会問題が常に山積してきました。そんなときに出版されたこの本への反響は非常に大きく、今も注目が続いています。非常に時宜を得た一冊でした。

成田すずさん/ジュンク堂書店 那覇店

切り口、テーマともにシンプル、でも、新しい!という「ベストセラーのお手本」のような1冊。そのシンプルさの勢いのままにシンプルだけど気になるポイントをつかんだ目次構成。逆にそれを裏切る解説の深堀りがあるので、読んでて楽しめる。

谷内博一さん/KADOKAWA

経営者になるためのノート

ユニクロの柳井社長が書かれています。タイトルにあるように、経営者になるために必要なことが書かれています。書かれていることはわかりやすいです。ただ、実行するのは、むずかしい。自分の甘さなどを感じたい方が読むと、改めようと思えるのではないでしょうか。ちょっと厳しめの本を読みたいという方に、おすすめです。

こばやしただあきさん/ビジネス書の書評メルマガブログ「知識をチカラに!」

まず、版面デザインに驚いた。これは「自分で完成させていくノート」というコンセプトに基づいているわけだが、ある意味で(狭義の)ビジネス書はすべてこのコンセプトのはずでもあり、紙本で出版する意義とメリットも含めて「編集」とは何か、を考えさせられた。

菊地悟さん/KADOKAWA

ファーストリテイリング柳井正さんが経営ができる人材を増やすことを目的に社内で使用されていたものを書籍化したものです。経営者の心構えとして「変革する力」「儲ける力」「チームを作る力」「理想を追求する力」と経営に必要な四つの力を定義、経営者として自分が実践してきたことを整理し、わかりやすく書かれています。カバーを外すと名前の記入欄があります。知識量を増やすだけでなく実践してほしいという著者の願いから書き込み式になっていて、自分だけの一冊が作れるようになっています。自分に厳しく高い道徳観と使命感を求める柳井さんの言葉をよりたくさんのビジネスマンが知ることができれば社会はもっとよくなると思いました。全てのビジネスマンに読んでほしい、ビジネスマンの教養本だと思います。

鈴木寛之さん/八重洲ブックセンター 八重洲本店

結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる

『SPEED』など同テーマの自己啓発書が出ている中、企画の切り口、目次の「すぐできる感」をくすぐるワーディングなど秀逸。テーマ的には「すでに出た感」があるかもしれないが、「王道」テーマをしっかりと作り込んだところが読者に支持されていると思う。編集力の強さを感じた。

谷内博一さん/KADOKAWA

タイトルがすべてだが、内容も分かりやすくストレートな内容だからこそ、良かった。

山内慎也さん/TSUATAYA はまりん横浜駅店

考えてはいるのになかなか動けない。誰もが経験しているし、やらなければいけないとわかっていて気が重くなる。それをすぐ行動に移すには、自身の気分がよくないとできない。内容は難しいことは何もなく、なるほど、ということばかりなので誰もが読んで共感できるものだ。

井内穂波さん/ジュンク堂書店 大阪本店

仕事がうまくいかない理由に、意外と「先送り」が占める割合は多いものもう一度ビジネスの基礎を見直すのに、本書はうってつけの参考書です。

栗澤順一さん/さわや書店

人工知能は人間を超えるか

人工知能に対する「期待」と「不安」が先行するなか、文系読者にも、その歴史や現状が理解できるようにまとめてあり、面白くて勉強になった。人工知能に関しては、優れた本が他にもあるが、あのタイミングで、あの装丁で出版したことが素晴らしいと思う。

田中泰さん/ダイヤモンド社

過剰にAIの進歩や脅威を煽る人がどれだけいい加減なのか、分かりやすく知ることができました。技術を解説する際の、著者のたとえ話もいちいち見事。今回の候補作では一番好きになった本。

井上威朗さん/講談社 COURRiER JAPON 編集長

人工知能(AI)は、今後、ビジネス社会に革命的な変化をもたらし得る潜在性の高い重要分野。より体系的かつ専門性の高い、それでいて一般読者にも理解容易な書の登場が期待されていたが、本書はまさに待望の一冊。

匿名

全体に、専門的なことを素人にも分かりやすく、きわめて親切に書いておられる。さらに、将来の倫理面でのリスクについても触れている。それらが、こうした理工系の先生には実は珍しいということを熟知する身としては、松尾先生に、弊社ももっと早くアプローチすべきだったと、忸怩たる思いだ。

干場弓子さん/ディスカヴァー・トウエンティワン 取締役社長

超一流の雑談力

売れ行きの留まるところを知らない今年のヒット。雑談が今やビジネススキルの一つとしての地位を獲得しているが、それは本書のお陰だと思う。

黒田紗穂さん/紀伊國屋書店 梅田本店

一流本が大量に出版された本年において、最も売れた「超」一流本。もう、とにかく「売れた」の一言。

竹添嘉子さん/紀伊國屋書店 新宿本店

単なる雑談とあなどるなかれ。意味のある雑談は時に思いもよらない効果を生み出します。この本で人生が変わるかも?

中上未紀さん/紀伊國屋書店 堺北花田店

「人とのコミュニケーションが苦手だ」と感じる人は多い。そんな中で、ちょっとしたテクニックと円滑に話をするコツを教えてくれる。この種のビジネス書が多い中、ヒットを飛ばした良書。

北野有希子さん/TSUTAYA

マーケット感覚を身につけよう

左脳的アプローチの「論理思考」の対になる、想像力・イメージ・直感などを使った右脳的アプローチを著者は「マーケット感覚」と命名。価値ある能力に気がつく能力、価値を認識する力を磨いて、「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法が提示されている。

せんちえ慶次さん/せんちえ http://www.senchie.net/

この本を読みながら、「自分にはマーケット感覚が欠けている」ことを痛感しました。しかしながら、著者によると、「マーケット感覚は、誰でも鍛えれば身につく」とのこと。ちょっと話は違いますが、「好奇心も、鍛えれば身につく」ことを、身をもって体験しましたので、きっと、マーケット感覚も、鍛えれば身につくのだと思います。

菅亮一さん/Z会

2,500円で買った古い楽譜を捨てようと思ったが、ネットオークションで15,000円で売れた。そんな経験がある。私にとって無価値のものが、誰かにとって15,000円の価値があるということに驚いた。それは「自分を売る」ときも同様。同じ人・スキルでも、売る場所・相手によって、売れるかどうかや価値が全く変わるのだ。どこで、誰向けに、何を売れば価値があるのか。その「価値を認識する力」=「マーケット感覚」について解説してくれる本はめずらしい。本書を読むと、「自分には価値がない」と感じていた人が自分の居場所を見つけられるかもしれない。『10年後世界が壊れても、君が生き残るために今、身につけるべきこと』と合わせて読むと面白い。

ホラノコウスケさん/ライフハックブログKo's Style

ワーク・ルールズ!

誰しも気になるGoogleの採用、育成、評価の仕組みを開示している。これはGoogleだけに留まらず、どんな業界、会社でもチームビルディングが鍵を握る昨今のビジネスの世界で新しい価値観を提示してくれている一冊になっている。売り手市場の中、未来の働き方を求める大学生にとっても憧れと現実の厳しさを同時にインプットできる本になっている。

降旗靖夫さん/マイナビ学生の窓口 編集部

「Googleの人事トップが採用、育成、評価のすべてを初めて語った。創造性を生み出す、新しい『働き方』の原理を全公開!」この文章が目に飛び込めば、買わない理由が見つかりません。好奇心をそそるコピーです。本書に配慮が感じられるのが、すべてにおいて、一般社員を含めた「すべての働く人」に向けたメッセージであること。著者のていねいな語りかけには、Googleだから……ではなく、これからの上司・部下とチームの関係や私たちの働き方は、こうした価値観のもとに変化を遂げていくのだろうと感じさせる説得力があります。雇用する側とされる側、どちらにも示唆を与える一冊。

和田史子さん/ダイヤモンド社

仕事をしていない人や、自分の業績を不正に水増ししている人が、良い待遇を受けていたら社内の士気に関わる。それはグーグルの社員でも同じ。どうすればフェアなルールが作れるか?最先端企業による取組みは、我々に新鮮な驚きと、真摯であり続けることの大切さを教えてくれる。

大橋功幸さん/日本出版販売

グーグルが目指す未来の新しい働き方とはコミュニティ意識の促進や、社員の福利厚生を充実させ私生活も含めて快適に働ける職場環境をつくることだそうです。しかし福利厚生やコミュニティの育成などはみな戦後日本企業がやって来たこと、いまや当たり前になってしまった日本企業にとって社員の私生活を充足させることにより生産性を上げるという本来の目的を忘れてしまっているのでは?日本企業も改めて学び直す必要があるのではないかと思いました。

鈴木寛之さん/八重洲ブックセンター 八重洲本店

言わずと知れた優秀企業Googleを、人事の切り口で描いたビジネス書。どの企業でもまねできる…は言い過ぎかもしれないが、企業の一番の財産は人で、人にとって環境がどれほど大事か、読むほどに実感する。

竹添嘉子さん/紀伊國屋書店 新宿本店

人事関係者でなくとも、会社に籍を置いている人は是非読んでもらいたい。どうすれば働き甲斐のある会社生活にできるのか。人口が減少し、インバウンド消費が進む中で”生き残る会社”はどう進化していくべきなのかを考えるきっかけになる一冊。

北野有希子さん/TSUTAYA

黎明期Googleが業務規模の拡大とともに従業員数をまたたく間に増やしていった当時から今にいたるまで、優秀な人材をどのように確保し採用していったのかその試行錯誤の過程が分かりやすく書かれている。メディアを通じてごく一部の奇抜な募集方法やユニークな福利厚生が目に付きがちだけれども、実際の採用方法は我々が経験してきたものと大きくは変わらず、長らく時間と手間のかかるものだったようだ。ただ彼らはそのムダに気付き、膨大な数の不採用を掘り返し原因を究明するための時間と資金を惜しまず投じ徹底したことが、競合他社とは一線を画す隆盛の要因の一つであることは間違いない。

福田浩子さん/ジュンク堂書店 仙台TR店