選評
采配

2011年の日本シリーズで見せた落合采配、スポーツ読み物というよりもリーダーシップ、マネジメントと言う方がしっくりきます。「勝てないときは、負けない努力をする」、考え方を少し変えるだけで可能性は広がっていく。「リーダーとしての心構え」という部分については職種・業種関係無く参考になるし是非とも読んで欲しい本の一冊です。

ブックセンタークエスト黒崎本店店長 今里文彦さん

球界の裏話に終始しがちなジャンルの書籍を、仕事術にまで高めた手腕はお見事!

さわや書店フェザン店 栗澤順一さん

何度も三冠王となった名選手が、監督としてチームを何度も優勝へと導いた。「名選手必ずしも名監督ならず」という言葉に反して、落合博満さんは、名選手が名監督となり得た。この本を読むと、その理由がはっきりと伝わってくる。「俺流」は、決してわがまま勝手な理論ではない。落合さんの経験に裏打ちされた実践的な経験則だったのだ。リーダーシップの有り方や部下指導を学ぶ上で、また自己啓発書としても、学びの多い本だった。

株式会社日経サービス 嶋田有孝さん

「小さなことでも手抜きを放置するとチームに致命的な穴が開く」「予習はいらないが徹底した復習が必要」など、仕事の現場でも使える示唆に富むメッセージが詰まっています。私はタイガースファンで、落合監督は好きではなかったのですが・・・相手チームが嫌がることをするという意味でやはり名参謀だったのかと、本書を読んで気づかされました。

中経出版 営業推進部 大森三規雄さん

二遊間のコンバートや、完全試合目前の投手交代など、これまで明かされなかった采配の裏話だけでなく、仕事への取り組み方や、人としての生き方についても学ぶことができる。目の前の仕事に全力で取り組むこと、休まないこと、チャンスをつかむこと、努力をし続けることなど、落合前監督の教えは、ビジネスパーソンにとって大切なことばかりで、二度、三度、読み直すたびに気づきを得られる一冊。

TravelBookCafe 松尾茂さん

リーダーとはいかにあるべきか、組織を率いるものの決断とはいかなるものか。野球にとどまらず、ビジネスにおいても大いに参考になる。

丸善日本橋店 篠田晃典さん

「前向きにもがき苦しめ」「不安だから練習する」など、誰にもでも参考になる言葉が多い。「オレ流ではない。すべては堂々たる模倣である」という言葉もあり、あまり語られなかった落合氏の考え方が明かされている。

ブログ「せんちえ」 せんちえ慶次さん

現役監督時代、決して語らなかった男がこれだけ語っている、という点では“スクープ性”に富む。単なる技術論・精神論に堕さず、一方で野球人として野球だけを語ろうとする姿勢が逆にメッセージ性を膨らませる。圧倒的な実績に裏打ちされているからこそできること。

フジテレビ 高島英弥さん

これは世の中にありふれたスポーツ愛好家だけのための書ではない。リーダーシップやマネジメント、仕事に対するプロフェッショナル意識などについて言及した、れっきとしたビジネスマンのための書だ。落合博満氏は中日ドラゴンズの監督を務めた8年間で、4度のリーグ優勝、1度の日本一に輝き、全シーズンでAクラス入りという「常勝軍団」を作り上げた。本書を読めば、その結果が必然的なものであり、ドラゴンズが勝ち続けた理由が明白に分かるはずだ。また、メディアなどを通じて決して知ることのできなかった落合氏の“素顔”を見ることができるだろう。

ITmedia エンタープライズ編集部 伏見学さん

リーダーとしての素養を高めつつ、マネジメントを通じてリーダーシップを発揮する技術を同時に学ぶなら本書が最適。世間では「オレ流」と言われ、人の言葉に耳を傾けないイメージの強かった著者だが、実は誰よりも部下(選手)を観察し、部下を愛し、部下の幸せのために采配をふるってきたかよくわかる。世間では独裁と見られているリーダーほど、実は身内を信頼し任せることに長けた人間であることにも気づかされるのではないだろうか。

(株)Z会 寺西隆行さん