選評
スティーブ・ジョブズ(機法吻供

彼の一生涯を彼の傍で見ているかのようなリアリティのある描写で、一気に本作の世界に引き込まれた。私自身が毎日使うiPhoneの、研ぎ澄まされたシンプルでお洒落なデザインとコンテンツの背景に多くの人生ドラマが詰まっていることが感慨深かった。彼の『顧客の要求を満たすよりも偉大な製品を作ることを優先』(※本書上巻p224より)する姿勢は弊害もあったが、「世間の想像以上」のデザインや機能を追求したからこそ消費者が熱狂的なファンへとなってきたのだろう。

楽天ブックス 中野敦子さん

人間ジョブズの全てが書かれている。長所も、短所も、強さも、弱さも、賢さも、そして愚かさまでもが赤裸々につづられている。単なるサクセス・ストーリーでない所が、この本の魅力である。ジョブズの個性的なキャラクターに圧倒されつつも、彼の仕事にかける純粋な情熱とバイタリティーには強い共感を覚える。企業の目的とは何か、何が企業の発展を支えるのか、従業員を導く正しいビジョンとはどういうものなのか、改めて考えさせられた。

株式会社日経サービス 嶋田有孝さん

2011年を代表する本といえばやはりこれでしょう。ジョブズという存在はある種の奇跡だと実感。

ダイヤモンド社書籍編集局 今泉憲志さん

今でこそビジネス書のジャンルは多様化しているが、かつては偉大な経営者や起業家の伝記が主流の一つだったと思う。本書はジョブズ氏の波瀾万丈の生涯やその特異なキャラクター、さらには亡くなられた同時期に発売されたというタイムリー性がヒットにつながったことは否めないが、あらためてビジネス書における”伝記”というジャンルの面白さを再確認できた作品である。Appleファンならずとも楽しめ、学ぶところも多い作品ではないだろうか。

ブログ「一流への道」 一龍さん

現在進行形で世界を変えている人間がどのような人物だったのか、多くの人に読んで欲しい1冊。自分の最低なところも、最高なところも書いて欲しいとジョブズ氏自身が語り、関係者への取材も敵・味方を問わず綿密で、氏の全てを鮮やかに描き出す。日本では絶対に出来ないつくり。責任ある地位についた人間は回想録を出す義務がある、というアメリカだからこそ刊行された本。上下2冊も決して厚くない。心からおすすめする本。

三省堂書店営業本部 鈴木昌之さん

2011年を語るなら外せない1冊。ジョブズ氏の訃報とも重なって発売前から大きな話題となり、上下巻になるほどのボリュームと高単価にもかかわらず、地方まで飛ぶように売れていたのが印象的です。何年か後にあらためて読み返してみて、このカリスマと同時代を生きていたんだな、としみじみ思うのかもしれません。伝記として、ビジネス書として、読み応えのある1冊。

カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 中島万里さん