選評
なぜリーダーは「失敗」を認められないのか

光学メーカー、製紙会社、メガバンク、電力会社…昨年は企業トップの資質が問われる事件・不祥事が相次いだ。現実の直視からの逃避=「否認」(これが原書のタイトル)がなぜ起こるのか、著者はその実例を誰もが知る米会社、ヘンリー・フォードから近年のIT企業まで広く渉猟するのだが、その理由は個々のケースに分け入ってつぶさに示されるとおり、普遍的な人間心理に根ざすゆえ日本の我々にも当てはまる。終章で示される教訓は全ての人の胸に刺さるだろう。

図書館流通センター ビーケーワン事業部 瀬尾俊二さん

いかなる優秀な企業でも陥る失敗に身が引き締まる思いがした。リーダーとしてあるべき姿、するべき仕事を考える上で優れた良書だと思う。

丸善日本橋店 篠田晃典さん