選評
いま世界の哲学者が考えていること

ビジネス書風のソフトカバーだからといって決してカンタンな本ではないが、思いのほか売れている。哲学史の入門書ではなく、現代哲学の最先端を紹介している本としては、異例の部数だろう。解けない問題を解こうとする哲学の力が必要とされる時代。最早、カンタンなビジネス書では役に立たないのだということなら、ビジネス書の品揃えも根本的に見直さなければならないだろう。

野上由人さん/リブロ

大学1年です。現在の世の中で起きている問題(と解決策)を大雑把に知ることができました。今のこの時代に何かを学ぶにあたって必要となる思考の枠をつくることができました。

匿名

小倉昌男 祈りと経営

新聞の書評を読んで手に取ったが、内容の面白さ、興味深さに感動し、著者に思わず連絡をしてしまった。敏腕経営者のもう一つの顔が、著者による丹念な取材によりあぶり出される。本の凄さを改めて実感できたので、一票投じたいと思います。

四本恭子さん/幻冬舎

丹念な取材で、著名な経営者の内面に切り込んだ内容を評価しました。経営者もまた家庭人であることを実感します。

匿名

鬼速 PDCA

PDCAのスキルについて、著者個人の経験を余すことなく入れ込み、圧倒的な学びのある1冊にまでメソッドを解説した点。多くのPDCA関連本はあっても概念は解説にとどまっていた。読む側が「すごい」と素直に受け入れられる内容だった。英語の学び方など、ビジネスではないケースを入れたことも多くの読者を獲得する要因になったと思う。「著者のメソッドを一般の人が使用可能なレベルにまで落として解説した」点が秀逸。

谷内博一さん/KADOKAWA

PDCAに関して、疑問に思っていたものをじっくり、1冊かけて丁寧に今までのやり方や考え方が間違っていたことを気づかせてくれ、読了後に実践できる一冊なっていた。

匿名

当たり前だと思いながらも実態の見えなかったPDCAが、読後、急に実態をともなって生活の中に現れる。PDCAとは仮説思考であることを掘り下げて学ぶことができる良書。

匿名

「言葉にできる」は武器になる。

書店の店頭でも、端的にキャッチコピーを書ける人がロングセラーを送り出せるのではないかと思う。そのことを再確認できた一冊。

佐伯敦子さん/有隣堂伊勢佐木町本店

サピエンス全史(上・下)

長い時間軸をなぞる作品ですが、それは個人的な“過去の歴史的経緯と背景”を踏まえた未来の見据え方が重要という理念に基づいています。科学や技術の背景にとどまらず、人類という種としてなにを選択してきたか、その延長線上に自然と浮かび上がるものを示していると思います。科学、人文、哲学、社会、様々な要素を多重に織り込んだうえで読みやすい作品だと思います。

匿名

職場の問題地図

職場の問題は、スキルで解決できる部分が多いことを、改めて実感しました。「目的」「インプット」「成果物」「関係者」「効率」の5つの視点を用いたフレームワークは、非常に有効だと思います。

菅亮一さん/Z会

(おそらくは)多くのビジネスパーソンが抱えている「最優先ではないがいつかは解決したい問題」を浮き彫りにしてくれている。こうした基本的な課題を解決する、つまり基礎を盤石にしてからでないと、先には進めないのだろう。

宗形康紀さん/MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店

「働き方」が問われている時代に、何がボトルネックになっていて、それをどうか帰結していけばいいのかが、有機的に書かれている。個別の課題、それに対する解決策を書いたものはすでにあるが、仕事の全体図を示し、どう関連しあっているかがわかるようになっていて、自分が何から手をつければいいか、理解しやすい。

匿名

「社内でこういう問題、あるある!」「でも、どうしていいかわからない」「どうしようもないから、愚痴って終わり」な問題を、根底から変えようという著者の意志と、再現可能なソリューションが織り込まれている。バツグンに読みやすい文章にも、読者として感謝!

匿名

どの職場でも存在する問題を幅広く紹介した上で、自分で対応できる手段はあるのか、また協力者が得られるならより効果的な解決方法は何なのかがよくまとまっていました。読み進めるだけで「あるある」と可笑しくも悲しくなってしまいます。この本が売れるということは、それだけ様々な職業の方が悩んでいるのだなあという感慨もあります。

匿名

生産性

前作「採用基準」と「生産性」の2冊に論理の一貫性が当然あり日本の未来に明るい展望をみいだすことができました。

藤井荘平さん/文苑堂書店福田本店

日本の製造現場の生産性の高さは有名ですが、ホワイトカラーやサービス業の生産性は欧米先進国に比べて低いと言われています。仕事ができる人とは生産性が高い人、成長とは生産性が高くなることだとし、コミュニケーションの方法から資料の作り方、意思決定や議論の方法、組織の運営方法はに至るまで、著者がマッキンゼーで学んだホワイトカラーの生産性を指南します。生産性向上のためには優秀な若手社員を積極的に登用して成長支援することや製造部門で使っているようにストップウォッチを事務部門に導入することを提案、今何にどれだけ時間がかかっているのかを自分で正確に把握することができ、仕事のやり方について考えるきっかけになり、ホワイトカラー部門の生産性も大きく改善すると指摘します。今までの仕事のやり方にこだわる必要はなく、みんなで話し合う機会を定期的に持ち業務仕分けをしてみることなど、参考になることがたくさんありました。

鈴木寛之さん/八重洲ブックセンター

デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論

データ、因果関係が分かりやすく、とても説得力のある素晴らしい本でした。

匿名

この方の著書は他にも何冊か拝読しましたが、明晰な分析にいつも感動します。本当に日本の事が大好きで、心配されてることを強く感じる内容だと思います。

匿名

データに基づく議論の展開が明確で分かりやすかった。

匿名

以前の「新・観光立国論」を読み面白かったので本作も読んでみました。客観的な視点でデータ分析しており前作同様一気に読めるくらい面白かったです。着目する視点がやっぱりすごいと思いました。

匿名

ロジカル、アナリティカルで、日本の社会や経済問題をより深く考えさせられる内容でした。ストレートな感想も少し厳しく感じましたが、視点がとても興味深いと思いました。

匿名

とても興味深い本でした。切れ味が良く、面白かったです。

匿名

合理的に日本の問題を分析しており、客観的に日本をとらえた良書だと思います。

匿名

やり抜く力 GRIT

いろいろな自己啓発の方法や発想がある中で、一つのことを継続するという物事を成し遂げる根本的なことに着目しており、他の自己啓発本とは違う説得力とインパクトがあり、私にとっては心に残る本となりました。

古賀永一さん/蔦屋書店宮崎高千穂通り

本書を読んでいると、ふつふつと熱いものが湧いてくるのはどうしてだろうか? 心強いコーチを手に入れたように思えた。

乾太郎さん/喜久屋書店須磨パティオ店

スピード感を持っていかに効率的に物事を進めるかを説くビジネス書が多くある中で、物事を達成するために「最後までやり抜くこと」の重要さを説いたこの本は、改めて、目的達成に必要なのは小手先の技術ではなく、諦めずに続ける力であり、成功に近道はないのだ、という基本的なことを思い出させてくれる。

中島万里さん/TSUTAYA

私たちは普通努力家よりも天才を評価してしまう傾向にありますが、成功するためには熱意と努力を継続する力が必要だと説いたのが本著、スポーツ・音楽・学業にしても才能は努力によって向上するとして努力の大切さを繰り返し強調します。やり抜く力を強くする4つのステップとして大事なことは、「1 興味 自分のやっていることを心から楽しんでこそ情熱が生まれる」「2 練習 粘り強さの1つの表れは昨日よりも上手になるようにと日々の努力をお怠らないこと」「3 目的 自分の仕事は重要だと確信してこそ情熱が実を結ぶ」「4 希望 希望は困難に立ち向かうための粘り強さ」そして自分の職業を天職だと思うこと、楽観的に考えること、仕事をとおして人の役に立ちたいなどの目的を持つことの大切さを説き日本の「七転び八起き」の精神をとても評価しています。ビジネスマン向けの自己啓発書としてだけでなく子育てにも言及、子どもは親をまねるという強い本能があるので、子どものやり抜く力を引き出したいなら、親が手本となって子どもに見せなといけないそうです。自分には才能がないからと諦めている人に足りないのはやり抜く力だったとわかる名著です。

鈴木寛之さん/八重洲ブックセンター

やり抜く力は日本語版が少し読みにくくはありますが、日本人が日本人らしさを世界の舞台で発揮できることを証明してくれるものであると確信しています。

匿名

IQよりやり抜く力が生きるうえで有効なことを教えてくれている。やり抜く力がIQの高さを超えるなら、人生は可能性に満ち溢れている。

匿名

LIFE SHIFT

「働き方改革」が叫ばれている中、必然と我々の生き方も変わってくるということを意識せずにはいられません。本書では男女問わず100年時代をどう生き抜くか、問いを投げかけています。ベストタイミングな1冊と言えるでしょう。

三塚まどかさん/丸善仙台アエル店

これからの時代「100年を生きる」という事について、これだけのリアリティと衝撃をもって受け入れられた本は他にないと思う。単なる仕事の技術の向上のみならず、人とのつながり、無形の財産など、広い視野を持って自分の仕事や生き方を捉えてみようと前向きに考えさせてくれる。日本の社会に「100年時代」という言葉を定着させるきっかけとなった本。

黒田紗穂さん/紀伊國屋書店梅田本店

いま50歳未満の日本人の多くは100歳以上生きる時代、100年ライフを快適に過ごすためには、長く生きることを前提に人生計画を立てるべきと訴えます。そのためには有形資産(金融資産や住宅ローンなど)だけでなく無形資産(家族や友人との関係そして好奇心や情熱)を大切にすること、さらに「ポッセ」仕事上の友人たちで構成される人的ネットワークが重要だそうです。100年生きれば時代は大きく変化し今持っているスキルも老後には役に立たなくなる労働市場の変化に対応するために人生の途中で時間を割いて新しいスキルの習得に投資し新しいテクノロジーを受け入れる必要がある。従来の教育→仕事→引退という3ステージの生き方から幅広い針路を検討するエクスプローラー(探索者)のステージを経験する人やマルチステージとして自己を再創造する時間、リ・クリエーションに振り向ける必要も高まるとしています。ソファに寝転んでテレビを見て長く貧しい老後を過ごすのか、いま勉強して新たなスキルを身に付け老後の仕事と収入を得る準備をするか、分かれ道は今なんだと思いました。

鈴木寛之さん/八重洲ブックセンター

不安に満ちた日本の長寿社会の到来、超高齢化社会へのひとつの提言として、十分に傾聴に値するものと思う。あとは政府と国民の我々にそれを実行できるだけの叡智があるかどうかだろう。もちろん、プランニングよりも実行に移すことの方がより困難を伴うことであるのだろうけれど。超高齢化社会も悪くないと思えてくる効果のためだけにでも、ぜひ一読をお勧めする。少しは安眠効果があるかも。

海東正晴さん/勝木書店

今の時代を生きている日本人の若者の半分は、100歳以上まで生きる可能性が高い。そういう時代がやってきていることを直視しなければならないことを教えてくれるとともに、「人生100年時代」をどう生きるかを考え、過去の価値観からどう脱却すれば良いかを本書は教えてくれる。何かと不安の多い時代かもしれないが、しっかりと準備をした人間は「長寿の贈り物」を享受することができることは間違いない。

匿名

長寿時代に、数十年スパンで時代に合わせたスキルの適応を説く本書。会社から与えられた通り万年おなじ仕事をしていては、大きな時代のうねりの中で沈没してしまうという危機意識もつことができた。また、そのような時代をサバイブする考え方や手法も具体的に提示してくれている良書。個人的には日々、時代や市場、会社の環境変化に合わせたスキルの適応を意識して働く必要があると考えているが、そうした局所最適だけでなく、より大きな変化の中での最適探索を図っていく必要があると気づくことができた。働き方に対する目線を引き上げてくれるという意味で、新人から管理職・経営者まで、幅広く勧められる。

匿名

長寿化という日本にさしせまった問題について、社会レベルでも個人レベルでも考えていくきっかけになる/なった基本書だと思います。

匿名

100年生きるとしたら、今のままではヤバイと本気で考えさせられた重い内容が印象的だった。

匿名

もし自分が100年生きられたら、どんな生活が待っているのか。有意義な人生を送るために、考えさせられる1冊。

匿名

今までも“働き方”や“お金”について人生設計を見つめ直す本はあった。だが本書は来るべき100年寿命時代に向けて“働き方”“お金”については当然のことながら趣味や友人など人生設計に必要だが多くのビジネスマンの概念からごっそり抜けていたものについても言及。人生指南書として全ビジネスマンの必読書であると自信を持って断言できる。

匿名